農業の保険【収入補償・自然災害補償】

近年、地球温暖化による気候変動、プレート運動(地震発生)、など
私たちの住む日本では、自然災害が毎年のように襲ってきています。
そしてこの自然災害は、自然を相手にする農家にとって、切っても切れない関係にあります。
就農を検討する段階で、真っ先に「自然災害に見舞われたら収入にならないしどうしよう・・・」と心配になる人は多いと思います。
本日は、そんな「収入の不安」を払拭してくれる「保険」についてご紹介いたします!

その保険の名は
「農業保険」
です!

改まって言うほどのネーミングではありませんでしたね。
※農業保険は「農業に関する保険」の総称です。
 言い換えると、保険のカテゴリーが農業というだけです。

農業保険は、農業生産活動における損害や価格の大幅な下落による経営への圧迫を軽減する仕組みです。台風や大雨、病害虫、鳥獣害などの自然災害による農作物への被害や、農産物の余剰による価格の下落に対して補償が行われます。

画像出典元 https://www.maff.go.jp/j/keiei/nogyohoken/

日本では2017年に「農業保険法」が成立し、農業に対する保険制度が整備されました。素晴らしいですね!

農業保険の種類

農業保険には、国が提供する「共済制度」と「収入保険制度」、さらに民間の保険会社が提供する「民間の保険」の大きく3つの種類があります。

共済制度(国):農作物共済、家畜共済、果樹共済、畑作物共済、園芸施設共済などの5つの事業があり、農家と国が掛金を積み立てて被害があった際に補填が行われる制度です。(対象者:全ての農業者)

収入保険制度(国):共済制度を改良したもので、多くの品目に対して収入に応じて保険金を支払う制度です。より包括的な補償が期待できます。(対象者:青色申告を行っている農業者)

民間の保険(民間):農業を成長分野と位置づけ、大規模農家向けに提供される保険パッケージは、食品工場や海外輸出などさまざまな要素に対する補償を提供しています。民間の保険は多様なプランや特化したサービスを提供し、大規模農家や特定のリスクに対してカスタマイズされた保障を求める農家に選ばれることがあります。

農業保険は経営のスタイルや規模によって適切なものが異なります。
農業を生計としている農家にとって、農業保険は経営を安定させるための重要な選択肢となっています。台風や自然災害、価格変動などのリスクは農業に常につきものであり、それらによる損害を補償することで、農家は安心して経営を行うことができます。

例えば、台風によって農作物が被害を受けた場合、農業保険に加入していれば被害分の補償を受けることができます。これにより、被害を最小限に食い止めることができ、次の作付けにも資金を回すことができます。また、農産物の価格が急激に下落した場合も、収入保険制度を利用すれば、収入の減少分を補填してもらえます。

農業保険の加入には、保険料の負担が必要ですが、それは将来のリスクに対しての備えと捉えることができます。経営に余裕があるうちに少しずつ負担しておくことで、不慮の事態による打撃を軽減することができます。

保険料

保険名提供者料金参考
収入保険保険料率は0.5%~1.5%で、農業者の収入額に応じて決まります。国が保険料の半分を補助します。農業保険(収入保険・農業共済):農林水産省
農業共済保険料は対象品目や引受方式によって異なります。国が保険料の一部を補助します。農業保険(収入保険・農業共済):農林水産省
農業損害保険民間の保険会社保険料は対象品目や契約内容によって異なります。国や地方公共団体が保険料の一部を補助する場合があります。農業の保険や共済にはどのようなものがある?|ミノラス
農業賠償責任保険民間の保険会社保険料は対象品目や契約内容によって異なります。国や地方公共団体が保険料の一部を補助する場合があります。農業の保険や共済にはどのようなものがある?|ミノラス

スクロールできます

 農業保険(収入保険・農業共済)の加入率

水稲農家の加入率は、全国で82.5%
ばれいしょ農家の加入率は、全国で60.3%
玉ねぎ農家の加入率は、全国で52.8%
温州みかん農家の加入率は、全国で25.0%
りんご農家の加入率は、全国で35.4%
ぶどう農家の加入率は、全国で16.2%

など、作物ごとによってまちまちですが、まだまだ加入者は少ないと思われます。今ご紹介したものはほんの一例ですので、興味のある方は こちら の資料をご確認下さい。
この結果から、現状の保険においては改善できる点があるはずです。

農業保険の拡充と改善

農業保険は、農家だけでなく、私たちの食べ物を守るためにもとても大切なものです。
最近では、農業保険についての啓蒙活動や制度の改善が行われています。そのおかげで、ますます多くの農家が保険制度を利用することができるようになっています。また、地域ごとに畑や気候に合った保険商品も増えてきていて、農家が自分にぴったりの保険を選ぶことができるようになりました。
なので、農業保険の制度を広げて改善することがとても大切です。これによって、農家の経営を安定させることができます。農業保険がもっと充実し、制度がより良くなるように努力しているのです。

補足

具体的な農業保険制度の拡充と改善に関する要望としては、以下のようなものが挙げられます。

被保険対象の拡大
農業保険の対象をより幅広く拡大することで、より多くの農家が保険に加入できるようにします。現行の制度では、規模や作物の種類によって加入できる保険が異なる場合がありますが、これを見直し、より包括的な保険制度を整備します。

■補償範囲の充実
農業保険の補償範囲を充実させることで、より広範な被害やリスクに対して農家を補償します。例えば、新たな災害や病害虫の発生に対応した補償項目や、農産物の品質低下による価格変動への対応などが含まれます。
支払い条件の改善: 農業保険の支払い条件を見直し、より柔軟な支払い体系を導入します。例えば、保険料の支払い方法や補償金の支払い時期を農家の経営サイクルに合わせて調整することで、経営の負担を軽減します。

■情報提供と啓発活動 
農業保険制度に関する情報提供や啓発活動を積極的に行います。農家が保険制度について正確な情報を得られるよう、政府や保険会社による啓発キャンペーンやセミナー、専門家による相談窓口の充実などを行います。

■保険料の適正化
農業保険の保険料を適正化することで、農家にとって負担が軽くなるようにします。保険料の算定方法や評価基準を見直し、農家の経済状況やリスクに合わせた公平な料金設定を行います。

これらの取り組みによって、農業保険制度はより効果的に農家の経営安定化やリスク軽減を支援し、食料供給における重要な役割を果たすことが期待されます。

農業保険は農家の経営安定化と食料供給の安定に寄与する重要なツールです。農業保険制度の拡充と改善により、農業者のリスク管理能力が向上し、持続可能な農業経営が促進されます。これにより、農業家は自然災害や市場変動などのリスクに対応しやすくなり、経済的な安定を確保することができます。

補足

具体的な改善策としては、以下のような取り組みが考えられます。

■リスク評価の精度向
農業保険のリスク評価をより正確かつ客観的に行うためのデータや技術の活用を促進します。
気象情報や農業データの収集・分析を通じて、災害や病害虫の発生リスクを予測し、保険料の適正な設定や補償範囲の最適化を図ります。

■カスタマイズされた保険商品の提供
農業の多様性に応じて、特定の地域や作物に適した保険商品を提供します。地域の気候や土地条件、農業の特性に合わせて保険内容を調整し、農家のニーズに合致した保険商品を提供します。

■災害対応体制の強化
災害時の迅速な対応や支援体制を整備します。保険金の支払い手続きや被災農家への支援活動を迅速かつ円滑に行うために、関係機関や保険会社の協力体制を強化します。

政策環境の整備
農業保険制度を支えるための政策環境を整備します。政府や地方自治体が積極的に農業保険に関する支援策を打ち出し、保険会社との連携を強化します。また、保険制度の安定的な運営や保険会社の健全性を確保するための規制や監督体制の充実も重要です。

これらの具体的な改善策によって、農業保険制度はより効果的かつ包括的なものとなり、農家の経営安定化や食料供給への貢献をより確かなものにすることが期待されます。

農業保険制度の拡充は、農業全体の発展にも寄与します。保険制度によってリスクが軽減されることで、農家はより積極的な投資や生産活動に取り組むことができます。生産力の向上や技術革新が進み、農業部門の競争力が向上することが期待されます。
さらに、農業保険制度の拡充は社会全体にも利益をもたらします。安定した農業生産は食料供給の安定につながり、食料価格の安定や飢餓の防止に寄与します。また、農業は地域社会の活性化や景観保全にも重要な役割を果たしています。農業の持続的な発展は地域経済の発展にも繋がり、雇用創出や地域の活性化に貢献します。

農業保険制度の拡充は、農家の経営安定化と持続可能な農業の推進、食料供給の安定、地域社会の発展など、様々な利益をもたらす重要な取り組みと言えます。

最後に

農業保険を広げるには、長い時間とたくさんの人々の協力が必要です。政府や関係する組織、農業関係者、保険会社などが一緒になって取り組む必要があります。農業保険の制度を改善して広めるためには、多くの人たちが協力し、政策を見直して制度を良くすることが大切です。
持続的なお金の投資と継続的な改善が必要で、農業の人たちの声やニーズに合わせた柔軟な制度運営が求められます。

参考 農林水産省 農業保険(収入保険・農業共済)

私たちの仲間になる

agricreationでは、一緒に”農”を盛り上げてくれる仲間を募集しています!!
”農” は、生きる上で必要な”食” に直に繋がっています。
楽しく!!をモットーに、後世に残る活動を一緒にしませんか?
少しでもご興味があれば、こちらのボタンよりご連絡を下さい!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です